どうもーやまむらこういちです。
私が所属している楽団での内輪アンサンブル発表会。無事に先日終えることができたわけですが、その時の課題曲3つ目は「天国と地獄」でした。運動会でよく聴くあれですね。いや、最近の運動会ではむしろ聴かなくなりましたけど・・・。
その天国と地獄の序曲を混合四重奏に編曲したので、ご紹介いたします。
有名なのは一部分
天国と地獄と言えば、知らない人はいないというくらいに有名な曲です。そして必ず「運動会(もしくはカステラ)」とセットで思い出されるでしょう。軽快なリズムとメロディーがなんとも楽しい曲ですが、あれは序曲の中でも一部分。序曲は3部構成で、その第3部のギャロップ(もしくはカンカン)の部分です。
序曲は本編のあらすじを表すような曲なので、もちろんこの有名な部分も「地獄のオルフェ」の本編で使われている曲です。かけっこ・・・ではなく、地獄でのダンスシーンに使われていて、フィナーレでも歌われています。10分弱の序曲の最後2分ほどがよく使われているわけです。
私もそのほかの部分は全く知りませんでした。まあそこまで興味がなかったというのと、聴く機会がなかったので本当に何も知りませんでした。編曲するにあたり、ようやく序曲を全部聴きました。
緩急を作りたいのだが・・・
今回のアンサンブル発表会の課題曲は3つ。すべてテンポの速い部分と遅い部分を作ろうと心に決めていました。速い部分と遅い部分では合わせ方が変わってきます。勢いだけでなく、ちゃんと目や音で会話しないと合わないようにしたかったからです。
しかし天国と地獄は有名な部分はずっとあのテンポです。そのためどうやってテンポの緩い部分を作るか悩みました。メロディーをいろいろいじってみながらあれこれ考えていましたが、なかなかうまくまとまりません。
そこで注目したのは序曲の冒頭部分でした。序曲自体は中間にテンポが遅い部分がありましたが、あまり掘り返したくはなかったので、冒頭部分のメロディーを拝借しいじってみることに。よく知られている部分のメロディーと共にガラっと雰囲気を変えて組み込みました。テンポも一定ではなく揺らすことにして、アンサンブル祭りの趣旨である他パートとの合わせの練習となるようにもしました。いや、実際すごく難しかったですけど・・・。
これで急緩急の形にすることができました。中間以外はほとんどいじらずにそのままにしました。残すは冒頭だけです。
もちろん序曲3部の開始部分をそのままでもよかったのですが、半日の練習で仕上げるとなると、冒頭であまりつまずきたくはありません。そのままやるとなるとメンバー同士のテンポの一致に苦労します。中間部分がかなり合わせるのに時間がかかりそうなので冒頭は比較的簡単にクリアできるように変えたいと思いました。
結局ふと頭によぎった「あまちゃん」のテーマを使ってドッキング。全体の休符をなるべく減らすことによって、拍がわかりやすいようにしました。実際これはうまく機能したと思います。練習にもっと時間を確保できるのであれば、原曲のように始まってもよかったのですが、半日ではこれくらいが妥当でした。
自分も演奏に参加して
今回のアンサンブル祭りでは普段指揮を振っている私も演奏で参加します。トロンボーンでこの曲が課題曲でした。くじ引きで決まった編成はフルート、オーボエ、クラリネット、トロンボーン。木管高音族とトロンボーンです。必然的に私の仕事は決まりました。
とはいえ、ずっと低音パートをやるわけではなく、突如メロディーに行くことも。その間普段あまりやることのない裏打ちを3人にやってもらいました。ここまで長いこと裏打ちをするのは、吹奏楽ではそう無かったようなので、いい経験になったのかなと思います。裏打ちは頭打ち以上に拍をしっかり持っておかなければいけません。聴いてから音を出せば遅れますからね。演奏者が共通の拍感を持つことは非常に重要ですから、いい練習になりました。
中間部分も、誰がリードして、誰が合図を出すのか細かく決めました。普段そういうことをしないメンバーもいたので、これも貴重な体験となりました。リードする側は周りを気にしすぎてはいけない。連鎖的に遅くなってしまうからです。タンギングやスケール、指回しといった個人の練習ではなく、合奏の練習がしっかりできたと思います。
これを生かして、夏の定期演奏会の練習を頑張っていければいいなーと思っています。編曲作業は思ってた以上に大変だったけど、やってよかった。さ、定演の曲の編曲作業に戻ります!