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円周率やネイピア数からメロディを作ってみた!自作曲『TRANSCENDENT』の作曲裏話と遊び心

作曲
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どうもーやまむらこういちです。

もはや年一の更新つつあり、気がつけば娘が中学生になっておりますが、また細々と再開していこうと思っています。

コロナ周りもだいぶ緩和されてきており、今年の夏の演奏会は例年どおりに戻る予定です。その練習をしているところですが、久々に私の作曲も復活しましたので紹介します。

曲名は『TRANSCENDENT(超越的な)』。円周率からモチーフを作る手順

TRANSCENDENT(トランセンデント)と題しました。正直タイトルが一番悩んだ・・・。そして悩んだ結果が英語にしただけ・・・。

「超越的な」という意味がありますが、これは2つの超越数をモチーフに使用したからです。

超越数って何よ??となるわけですが、そこは私なんかが説明するよりも調べた方がわかりやすいと思いますのでここでは説明しません(逃

なぜ円周率(3.14…)なのか?

今回の曲は、3.14…でおなじみの「円周率」からモチーフを作成して、それをこねくり回して作ったものです。前々からやってみたかったアイデアが、今回ようやく実現できました。

そもそも、私は数学が好きなんです(得意とは言っていません笑)。

円周率の数字から音を見出して作曲するという手法自体は、実はネットや現代音楽でも割と見かけるものです。ただ、小数点以下を無限にそのままなぞっていく曲が多い中、私は「いくつかの数字に絞って、それをモチーフ(素材)としてしっかり曲に仕上げる」という方法に挑戦してみたいと思っていました。

【図解】数字を「ドレミ」の音に割り当てるシンプルな方法

円周率からモチーフを作成する手順は、いたってシンプルです。

まず、ドから順番に「ド=1」「レ=2」「ミ=3」……というように、数字を音名に割り当てていきます。今回は「9」まで音が必要だったので、オクターブ上の「レ」までを対応表(画像左側)のように割り当てました。

このルールに沿って、円周率(3.1415926)の数字通りに音を配置したのが、画像右側の楽譜です。
「3=ミ」「1=ド」「4=ファ」「1=ド」……と、きれいに対応表通りになっているのがお分かりいただけると思います。

先述した通り、円周率は小数点以下が終わりなく続きます。この方法で長いこと円周率をなぞり続ける曲を作る方もいますが、今回の目的はあくまで「曲のモチーフ(素材)」として使うことです。そのため、今回は欲張らずに「最初の8つの数字(3.1415926)」までに留めました。

なぜ「8つ」なのかというと……単純に、私が記憶していたのがここまでだったからです(深い意味は一切ありません笑)。

楽譜と動画で解説!曲中に仕込んだ「超越数」の遊び心

メロディのモチーフ以外にも、曲の中にはいくつか「隠し要素」としての遊びを入れてあります。

【動画1分13秒〜】トランペットがミュートで刻む「円周率リズム」

まずは動画の1分13秒あたりの部分。トランペットがミュート(弱音器)をつけてチクチクと刻むリズムがあるのですが、実はこの打数、円周率の数字の通りになっているんです。

正直に言うと、音楽的な必然性はあまりありません(笑)。ただ、こういう「気づいた人だけがニヤリとできる仕掛け」をスコアに仕込むのが、個人的にたまらなく好きなんですよね。ただの遊び心です。

将来的には、こういう数学的な仕掛けを盛り込みつつ、音楽的にも強い意味を持たせられるようになると面白いな、なんて思っています。 

【動画2分50秒〜】モチーフを上下反転させたフルートのメロディ

続いては、動画の2分50秒あたりからの展開です。

ここでは、今までメロディに使っていた円周率モチーフのリズムを変えて、チューバ(低音)のベースラインとして敷いています。

そして実は、その上で鳴っているフルートの主旋律は、元のモチーフ(音の並び)を上下反転(反行)させたものをベースに作っています。

この部分の展開は、曲の中で最後までどうするか悩みました。ただ、ここで下手に新しいメロディや動きを持ってくるよりも、これまでに使った素材を形を変えて再利用(変形)したほうが、曲全体の統一感が出るなと思って採用しました。 

【動画2分20秒〜】ネイピア数(2.718…)を使ったカデンツァ風ソロ

動画の2分20秒あたりでは、2回のカデンツァ的なソロ(見せ場)が入ります。

ここでは、円周率に並ぶもう一つの代表的な超越数である「ネイピア数(自然対数の底)」を、同じルールで音に割り当てて使用してみました。高校の数学で登場するあの数字ですが……合奏中に聞いてみたところ、団員はほぼ誰も知りませんでした(笑)。

このネイピア数、数字に直すと「2.7182818…」となるため、音に変換するとほとんど「ド」と「レ」しか出てこないという致命的な弱点があります。

メロディとしては非常に扱いにくいので一時は不採用にしようかと思ったのですが、「拍子に縛られず、ガラリと流れを変えるカデンツァのソロとしてなら活かせるのでは!」と思いつき、採用に至りました。

※上の画像の左側はクラリネット用の楽譜(B♭管)なので、実音と表記がズレて見えますが、右側のフルートと同じ音(実音)を吹いています。

久々の作曲を支えてくれた、おすすめの「和声本」たち

今回の作曲は、あらかじめ「超越数」というモチーフ(素材)がすでにある状態でスタートしました。

ただ、しばらく作曲から離れていたこともあり、機能和声の記憶がだいぶ遠くなっていました。そこで、昔から持っているお馴染みの和声本(いわゆる『芸大和声』)を引っ張り出し、さらに先月発売されたばかりの『和声を理解する』という本も新たに読み込みつつ、少しずつ形に仕上げていきました。

もちろん、機能和声のルールにすべて従っているわけではありません。実際のスコアを見ると、声部の動きなんかは結構めちゃくちゃだし、和音選びも「これでいいのかな」と微妙な部分が多々あります。

すべてが教科書通りである必要はないし、ガチガチにルールに縛られては自分らしさが出しにくくなってしまいます。それでも、鳴らすコードやそれぞれの音に対して「なぜこの音なのか」という根拠だけはしっかり持ちたい。そう思って、あーでもない、こーでもないと頭を抱えながら作った曲です。

さあ、演奏会で演奏する曲はあと3曲残っています!のんびりしている暇はないので、ぱぱっと次の編曲作業に取り掛かろうと思います!

コメント

  1. Yuki.T より:

    山村様

    初めまして。広島でフルートのアンサンブルを楽しんでいるものです。
    アラジンメドレーのアンサンブルを検索していて、
    You Tube で拝見しまして。そこからこちらにたどり着きました。
    (アラジンのブログ記事のところでコメントを送ったつもりなのですが、
     どうも遅れていない?と思い、最新記事のこちらでコメント書かせていただきました)

    なかなかアラジンもメドレーがない中、こちらの曲にたどり着き、
    ブログでも書かれていたように、スパッと終わる
    終わり方も好きで、ぜひこの楽譜をアンサンブルで演奏したいと思いまして、
    思い切ってメッセージを送った次第です。
    販売とかはされていませんか?
    購入させていただけたらと思います。

    • Yuki.T様

      コメントありがとうございます。
      アラジンの方でうまくコメントが送れなかったようでお手数をおかけいたしました。
      先程メールを送りましたのでご確認ください。

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