雑記

定演終わって暗譜の大切さを知る

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こだいらEMバンド第10回定期演奏会どうもーやまむらこういちです。

8月19日に私が所属する吹奏楽団、こだいらEMバンドの第10回定期演奏会がありました。天気予報がピタリと当たってしまい、演奏会終了後は雷に豪雨。お客さんも足止めを食らってしまいました。皆様無事に帰られましたでしょうか…。

今まで2部構成でやってきましたが、ここにきて3部構成にしました。もともと人数が少ない団体で奏者が15人ほどなのですが、さらなる少人数によるアンサンブルもやりたいということで、アンサンブルステージを新たにやってみたというわけです。

それぞれ特色あるステージに

1部は私が作曲したファンファーレでスタートし、吹奏楽コンクール課題曲だった「ポップス・マーチ『すてきな日々』」と、副団長との合作であるオリジナル曲を演奏しました。この合作オリジナル曲は以前このブログでも紹介させていただきました。こちら

結局この曲はずっとタイトルが決まっていなかったのですが、「リカルマーラ戦記序曲」と決定し披露となりました。副団長からフレーズをもらって私が曲に仕上げたわけなんですが、どうやらこのフレーズは副団長が高校の頃に作曲した曲のフレーズなんだそうです。音楽の授業で作曲する際、どうせならテーマを持たせようとして架空のRPGゲームを設定し、そのゲーム中のフィールド移動中の音楽として作ったものだとか。そしてその架空のゲームのタイトルがリカルマーラ戦記だったということで、このようなタイトルになりました。誰得な話だろ・・・。

シン・ゴジラ風の映像を用意したさて、2部はリコーダーアンサンブルによるシン・ゴジラに、混合6重奏の情熱大陸、金管低音6重奏の紅の豚と3つのアンサンブルのステージでした。

リコーダーアンサンブルはシン・ゴジラを意識したオリジナルの動画を作成し演奏のバックに流していました。お客さんは映像が気になって気になって演奏が全然耳に入ってこなかったとか。撮影には団員も登場し、火薬も使って結構頑張ったので満足いくものになりました。

情熱大陸紅の豚は両方とも私の編曲で、これも以前紹介しました。そしてどちらにも私はトロンボーンで演奏に出ました。この演奏については後で語るとして、アンサンブルステージも広い舞台に負けずのびのびと演奏できたなーと思います。

3部はザ・ベストテン風に進行していきました。実は第9回定期演奏会で、今まで演奏した曲の中でもう一度聴きたい曲をお客さんにアンケートで聞いていました。それをもとにランキングを作成し、そこからピックアップする形で演奏をしていきました。当然今まで一回はやったことがある曲なんですが、そのころとは編成が違うので結構苦労した部分も・・・。

演奏会後の豪雨以外は大きなトラブルもなく無事に節目となる演奏会を終えました。自分で立ち上げた楽団がこうも長く続くとはなかなか感慨深いものですが、まだまだこれから20回、30回と続けていけるように、団員やお客さん、施設のスタッフさんなど大切にしていきたいところです。

楽譜にかじりつくということは頭が固定されるということ

楽譜にかじりつくのは弊害があるさて先も述べた通り、今回の演奏会では私は指揮だけではなく、2曲トロンボーンで舞台に上がっています。どちらも自分で編曲しているので、ある程度勝手はわかっているものの、結構練習をした部分がありました。本番は満足いく演奏には届きませんでしたが、いろいろ思うことがありました。

その中でも最も大事だと思ったのは暗譜の大切さです。本番は楽譜があるので、暗譜する必要はありません。照明も特段暗くならないので、楽譜を見ながらの演奏でも問題ないのです。しかしながら、楽譜を見ながら演奏するというスタイルには大きな問題があると、今回の本番で実感したわけです。

アレクサンダーテクニックではもっとも基本的なこととして「頭が動いていいと意識する」ことがあります。アレクサンダーテクニックの生みの親であるアレクサンダー氏は、そもそも自分の声が出なくなる症状は頭が固定されていることが原因であることを突き止めました。人間にとって頭を固定するということは体中を緊張させ、余計な力を入れ、柔軟な動きを止めてしまうことに気が付いたのです。楽器演奏でもこのことがすごく重要で、頭が動いていいんだと意識するだけで演奏のしやすさや音色の改善につながることが分かっています。

私もここ数年でアレクサンダーテクニックのことを知り、いろいろ調べて実践していくことで、少しずつですが変な癖が抜けたり音色が豊かになったり音域が広がったりしてきました。そんな中でも昔と同じような吹き方になってしまうこともたびたびありました。それは楽譜にかじりついているときです。

楽譜を見るということはある程度頭を固定する必要があります。楽譜にかじりつけばかじりつくほど頭は固定され動かなくなっていきます。そしてそれが体に作用して、演奏そのものもうまくいかなくなるという負の連鎖が起きていました。暗譜をすることで楽譜から頭が離れ、自由になります。頭が自由になれば体の緊張も解けてパフォーマンスが向上するという寸法です。楽譜の見すぎによってものすごい姿勢で演奏している人を時々見ますが、音が安定せず指が回らないといった悩みを抱えているようです。たかが姿勢、されど姿勢であることがよくわかります。

暗譜をすれば音楽表現の幅も広がる

暗譜をすると、曲が頭の中に入っているわけですから、歌いこむのにも有利なはずです。フレーズの終着点からアーティキュレーションまで頭に入っているはずですので、自然にそして豊かに表現しやすくなります。楽譜を目で追っていくと余裕もなくなってきますし、そういった意味では暗譜したときのメリットはかなり大きいものだと思います。

全部暗記するのは大変なことですが、ある程度の暗譜ができていれば、万一心配なところが出てきても、その部分だけちらっと楽譜を確認すればいいだけです。要はかじりついていなければいいだけですからね。頭を自由にさせてやるのが目的ですから、なにがなんでも楽譜は見ない!となる必要はありません。

今回私はたった2曲だったのですが、ある程度覚えているにも関わらずついつい楽譜を見てしまいました。見なくてもいいところまで見続けてしまったのです。それが頭の固定を招いて、思ったパフォーマンスを出せずに終わってしまいました。頭を自由にするために楽譜を極力見ないという意識が抜けてしまったのが原因だと思いますが、まだまだ楽譜が頭に定着していなかったのかもしれません。

この、「頭が自由に動いていい」と意識できているときとそうではないときの差は私にとってすさまじく、特に高い音を当てるときの成功率が体感で4割ほど変わっている気がします。頭は動いていいんだ、そしてそれにともなって体も動いていいんだと意識できているときは、面白いほど音が当たるのに対して、そうではないとき、つまり「当たるかな??」とか「外すかも」とか考えているときはほとんど外しています。両者の違いは「意識」だけです。もっともその意識のおかげで体のあらゆる部分の緊張状態が変わっているんですけどね。

次回演奏する機会があったら、アレクサンダーテクニックの原点に戻り、極力楽譜を見ない演奏をしてみようと思います。これはかなりの確率でいい結果をもたらしてくれると思っています。ここ!というところこそ、何よりも「頭」を意識して演奏してみようと思います。

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