どうもー、やまむらこういちです。
元号が「令和」へと切り替わったあの改元の時期、日本中がお祭り状態のように湧き立っていましたね。皆さんも「令和セール」に乗っかったり、新しい時代の幕開けをお祝いしたりした思い出があるのではないでしょうか。
今回は、当時の楽団の定期演奏会用に、その改元にちなんで作成したオリジナル編曲メドレー『昭和→平成えきすぷれす』の制作舞台裏をお届けします。
【2026年7月 追記】 改元当時に「今しかできないお遊びを!」と全力でペンを走らせたこのメドレー。演奏会でお披露目した際は、狙い通り(いや、狙い以上に?)客席からクスリという笑いとどよめきが起こり、今でも楽団の語り草になっている伝説のアレンジです。
1. 昭和から平成への切り替わり――あの頃のヒット曲たち
「令和」に改元されたばかりの当時は、当然ながら令和のヒット曲はまだこの世にありません。そこで目をつけたのが、ひとつ前の改元期である「昭和から平成へ切り替わったあたり(平成元年を中心に前後2年)」のヒット曲でした。
選曲リストを眺めているだけで、当時を知る世代なら胸が熱くなる曲ばかりです。
- 『壊れかけのRadio』(徳永英明)
- 『未来予想図II』(DREAMS COME TRUE)
- 『Runner』(爆風スランプ)
- 『さよなら人類』(たま)
- 『I LOVE YOU』(尾崎豊)
楽団の若いメンバーたちにはあまりピンと来ていない様子でしたが、私と同世代やそれ以上の先輩方にとっては、そりゃあもう体に染みついている名曲たち。安室奈美恵メドレーの時以上に、私自身も編曲しながらノリノリで口ずさんでしまいました。
2. メドレーの構成は、吹奏楽界のあの傑作をリスペクト!

この企画ステージでは、他にも「安室奈美恵メドレー」や「テレビCMオンパレード」といったメドレー曲が並ぶ予定でした。
「せっかくなら、この昭和から平成へのメドレーには、これまでにない一味違う面白さを仕込みたい……」
そう考えたときに頭に浮かんだのが、杉浦邦弘氏編曲の傑作『ど演歌えきすぷれす』でした。
吹奏楽部を経験した人なら一度はお目にかかったことがあるであろう、超有名な演歌メドレーです。この曲の何が素晴らしい(そして恐ろしい)かというと、一番の聴かせどころである「メインのサビ」を直前でバッサリとカットし、次の曲へ強引に繋いでしまう構成にあります。
『天城越え』の「あまぎぃぃぃ〜〜〜〜」と一番盛り上がるところで、別の曲へ急発進してしまう。初めて聴いたときは誰もが「えっ、そこで終わるの!?」とずっこけたはずです。
「よし、今回はこの手法に全力で乗っかろう!」
そう決意し、「サビが来るぞ、来るぞ……来ないんかい!」という、あの愛すべきモヤモヤ感を平成初期の名曲たちで再現することにしました。
3. パズルがカチッとはまるような、楽しすぎる編曲プロセス
構成のコンセプトが「サビの裏切り」と決まれば、あとは作業がとてもスムーズでした。テンポや調性(キー)のバランスを見ながら、パズルのピースをはめていくように曲を組み替えていきます。
今回のメドレーでは、以下のような工夫を凝らしました。
- 調性のハブにする曲の選定 『ど演歌えきすぷれす』にならい、キーの基準として吉幾三さんの『雪国』を設定し、全体の調和を図りました。
- “それっぽい”オリジナル間奏の挿入 『壊れかけのRadio』に入る直前や、『I LOVE YOU』のサビ後の部分には、あえて原曲にはない「昭和〜平成歌謡特有のそれっぽい雰囲気」を自作して滑り込ませました。
夜中に一人でパソコンに向かい、 「ここでサビを裏切ったら絶対みんなニヤッとするぞ……!」 とニヤニヤしながら譜面を書き進める私は、はたから見たらかなり危ない人だったと思います(笑)。でも、それくらいアレンジャー自身がワクワクしながら作った楽譜は、必ず奏者やお客様にもその楽しさが伝染するものだと信じています。
音楽の楽しさは「裏切り」と「共有」にある
改元のタイミングで、過去の改元期の音楽を振り返る。それは音楽的にもとても意味があることでしたし、何より「誰もが知っている曲だからこそ、その予想を裏切る仕掛けがエンターテインメントになる」という、編曲の奥深さを改めて学ばせてもらった経験でした。
2026年の今振り返っても、こうした「遊び心」を温かく受け入れて真剣に演奏してくれる楽団の仲間がいること、そしてそれを楽しんでくれるお客様がいてくれることは、本当に贅沢なことだなと感じます。
さあ、お遊び満載のメドレーが仕上がったら、次はいよいよ真面目なオリジナル自作曲の制作です。気合を入れて、ペンを走らせたいと思います!



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