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臨時記号の書き方

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どうもーやまむらこういちです。

娘が卒園式用の写真を撮ったそうで、あー年度の終わりが近づいてきたなーと思いました。

さて、とある曲で臨時が大量についた部分についてなかなか面白いなと思ったことがあります。

問題となったのは、楽団で演奏する曲の妻に渡ったパート譜。
調が目まぐるしく変わるため調号をなくし、全て臨時記号にしたのですが、とんでもない量がついているため、読みやすいように変更してほしいと言われました。
妻は♭よりも♯のほうが読みやすいらしく、♭が多いと困るとのこと。

シャープ派かフラット派か

私はどちらかというと♭の方が読みやすく、♯が苦手なので好みなんだろうなーとまず思いました。
チューバはB♭管で楽譜はC譜なので、B♭調の曲でも♭が2つついています。
逆にクラリネットはB♭管で楽譜もB♭譜なので、B♭調は調号がないんですね。

C調だと、チューバは調号なし(演奏するときはチューバのドとファが♯になる)けど、クラリネットは調号として♯が2つ付きますからね。
そういう部分も関係しているのかもしれません。

さてさて臨時記号を書く際、ある程度のルールが決められています。
とにかく読みやすいことが優先されるのは当然のことです。

臨時記号の記譜上のルール

無駄にダブル♭やダブル♯が付いていたら読みにくいに決まっています。
あとは上昇形だったら♯、下降形だったら♭の方が読みやすいですね。

上昇形の音符にはシャープが読みやすいどちらも同じ半音階での上昇ですが、♭を使うと♮も使わなくてはならず、ごちゃごちゃしますね。
シャープを使っている方がすっきりします。

下降形はこの逆のことが起きるので、♭を使った方がすっきりします。

また、♯は明るく鋭いイメージがあるのに対して、♭は暗く重たいイメージがあるので、その面を考慮して書かれている楽譜もあるようです。
音の上昇は興奮や緊張、下降は落ち着きを感じるので、それらのイメージが一致した方が視認しやすいのかもしれません。

とある譜面臨時記号を付けるにあたって、どの調なのか、その音がどういう和音の構成音なのかということも考慮する必要があります。
その調の近親調の調号を割り当てたり、和音の構成上割り当てる記号を変えたりとなかなか難しいものです。

難しい譜面でなければ、大体はやりやすい調で書かれていることが多いので、♭は多くて3つ、♯は2つなんてことが多いですね。
吹奏楽の場合は、楽器の調がそれぞれ異なるので、みんながみんな調号なし!ってことはできないんですが、それでもなるべくどのパートもやりやすいように調を設定したりするものです。

よく目にする方の記号で書く

♭はシ→ミ→ラ…とついていき、♯はファ→ド→ソ…とついていきます。
そのため、これらの音は割とみんな反応できるんですね。
逆にレ♭やソ♭、ラ♯などはあまり出てこないため、時々遭遇するとつまったりします。

それを考慮して、和音の構成や近親調などを無視してソ♭はファ♯に、ラ♯はシ♭にあえて変更したりもします。
同じ小節で♯や♭が混在してしまいますが、それでもそちらの方がはるかに読みやすかったりします。

ファ♭よりもミ♮、シ♯よりもド♮のほうがよっぽどいいですし、読みやすさと和音構成などからのルールとでは多少のギャップがあるようです。

本当ならば、どんな臨時記号にも瞬時に反応できることが望ましいですが、アマチュアではなかなかつらいところ。
私ももっと読みやすい楽譜を書くように努力していきたいと思います。

 

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