編曲 雑記

アンサンブル曲を作っていこう

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どうもーやまむらこういちです。

今年もあっという間に半月が終わってしまいました。日曜日には我が家で新年会。4㎏のカンパチ1匹を丸で買って捌いて食べました。ほどほどの脂でとてもおいしかったです。ブリより好きかもしれない。

合奏のためのアンサンブル祭り

アンサンブル

さてさて、私が所属する吹奏楽団では来月にちょっとしたイベントを予定しています。題して「アンサンブル祭り」。アンサンブルを通してほかのパートの音を聴く練習をしようという目的で、完全に内輪でやるイベントです。お客さんは入れず、団員(とその家族)だけでやります。

団の最大の課題は「同時に行われる個人練習」からの脱却です。合奏をしてもそれは個々がたまたま同時に同じ曲の同じ個所から演奏しただけという状態であって、およそ一つの曲を奏でている状態ではありません。自分と目の前のパート譜だけの世界に入り込んでしまっている状態から抜け出して、ほかのパートと会話し融合する本当の合奏に近づくべく、今回のイベントは計画されました。

アンサンブルは指揮者がいない分、奏者同士でタイミングを計り、音をマッチさせていかなければなりません。少なくともパート譜と自分だけの世界に閉じこもっている状態では、うまくいきません。もちろん合奏でもうまくいかないのですが、アンサンブルの方がよりそれがわかりやすい。音楽を作業から芸術にするための練習としてアンサンブルを選んだわけです。

負担はなるべく小さく

少しだけ

とはいえ、夏の定演に向けて練習が始まっている今、アンサンブル祭りのためにあまりたくさんの時間を割きたくありません。たとえそれが今後のための練習であってもです。

というわけで、アンサンブル祭りは練習も含めて当日1日限りとしました。午前中に楽譜を配って練習。午後に本番、その後打ち上げと、1日ですべて終わらせることになりました。午後の本番では今回の目的であるアンサンブル発表はもちろん、演奏会では客層的にちょっとできない曲や、アンサンブルやりたいけど演奏会の舞台ではちょっと・・・というメンバーによるエキシビションステージもあります。なんだかんだでアンサンブルが好きな団員が多いので、内輪のイベントとはいえ楽しみにしています。

アンサンブル発表では当日参加できる団員をまず3つの団体に分けました。団体のリーダー役になる団員を3人選出し、ほかのメンバーはリーダーによるくじ引きで決まっていきます。パート編成が偏ったりもしましたが、それはそれでいいでしょうということで。

そしてその即席ともいえる団体の課題曲ともいえるアンサンブル曲を用意しなければいけません。曲もくじ引きで決める予定です。担当する曲が決まったら、その編成用に私が編曲をします。

当日の午前中だけしか練習できないので、あまり難しくはできません。そもそもの目的がほかのパートの音を聴くということもあり、楽譜はなるべく易しいものにして、譜読みがすぐに終わって音を合わせるところに時間が使えるようにしなければいけません。

すでに1か月切っていますが、実は曲が決まっていない・・・。これはさすがにまずいということで、昨日私の独断で5つまで曲を絞りました。

  • 大きなのっぽの古時計
  • ケンタッキーの我が家
  • 聖者の行進
  • 私のお気に入り
  • 天国と地獄よりギャロップ

こんなところでしょうか。曲は有名どころであることはもちろん、いろいろといじりやすそうなものにしました。これらの曲をとりあえずアンサンブル用に編曲します。いわゆるフレキシブル譜というやつですね。どんな編成でも大丈夫なように音域幅を調整して作ります。その後、くじ引きで担当する曲が決まったら、その編成に合わせて移調譜を作成すればいいということです。

アンサンブル譜を作るときに…

アンサンブルでは基本的に指揮者はいません。テンポキープも減速も加速もその場の奏者たちで合わせていかなければいけません。目で、もしくは音で会話をして合わせていくわけです。

そんなアンサンブルの曲を作る時に大切なことがあります。まあいろいろあるのでしょうが、私が一番気にしているのは「どの拍にも動きがある」ことですね。どの拍にも動きがあるとはどういうことなのでしょうか。まずはこちらの譜面をご覧ください。

拍が取りにくい部分

とあるアンサンブル曲ですが、赤い矢印の部分はどのパートにも動きがないことがわかります。

4拍子の曲なのですが、3小節目は2拍目と4拍目が、4小節目は2拍目と3拍目に動きがありません。指揮者がいれば問題ない部分でも、アンサンブルとなると話は変わってきます。当然奏者はそれぞれ拍を取っているはずですが、人の感覚など絶対的なものではありません。脈拍の速さが違うだけで感じるテンポは変わってきますからね。

こういう全員が伸ばしている部分や、全員が休んでいる部分というのはテンポが崩れやすいところです。こういう部分があるたびに奏者同士でアイコンタクトなり合図なりを出す必要が出てきます。もちろんそれも練習になるのですが・・・。

今回は練習時間がそこまで多くないので、こういった部分は極力少なくしたい。もちろん、ほかのパートを聴き合わせるということを目的としているので、すべて無くすことはしません。あえてこういう部分を作って、ほかのパートを気にする部分を作るつもりです。それでも数が多いと大変すぎるので、次のような対処をしようと思います。

拍子が動きで埋まっている

先ほどとほとんど同じですが、動きがなかった拍に動きが入りました。これはあくまでもわかりやすくしたものなので、実際はもう少しさりげなくしたりしますけどね。ともあれ拍子のすべてに動きがあることで、2拍伸ばしたり4拍伸ばしたりしているパートも次の出だしを狙いやすくなります。「イチ・・・サン・・・」という合図よりも「イチ、ニ、サン、ハイ」と言われた方が断然出やすいですよね。これを音で用意してあげるわけです。

こういう楽譜であれば、伸ばしているパートは動いているパートを聴くようになるでしょうし、積極的に合わせていこうとしやすくなると思います。そんなことを気にしながら、パパっと編曲をしていきます。完成したらこのブログで紹介していきますので、お楽しみに。

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