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タンギングをすると喉が疲れることへの対策

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どうもーやまむらこういちです。

先日無事に娘が卒園を迎えました。一つの大きな節目ですね。
これから長い長い学校生活に突入です。

さてさて、今日はタンギングについてです。
私はタンギングが大の苦手。よくトロンボーンやトランペットの音が優しいなんて言われるんですが、裏を返してみればタンギングができないからなんですね。
全部レガートにしてしまう。

タンギングを邪魔しているのは何か

タンギングを邪魔するものよくタンギングは「トゥ」とか「ター」とか「ダー」とかという発音で表現されますよね。私の場合は「ルー」なんです。
た行の発音よりもソフトになりますが、タンギングらしさがほとんどないのが特徴です。
トロンボーンはスラーであっても軽く舌をつかなければならないのですが、その時に使っているタンギングです。
でもそれが身に付いて、通常のタンギングができないんですね。

自分がこれほどまでタンギングを苦手とするのはなぜなのか、大して考えたことはありませんでした。
もともとチューバをやっていたというのも少なからず影響していると思います。
チューバを吹く時は単発単発で音を出すことが多く、その時は息を出すか出さないかで制御していたので舌を使わなかったんですね。
発音でいえば「ブオン」ってとこでしょうか。まあこれは私だけだと思いますけど…。

タンギングをすると、しない時と比べて息の初速は速くなります。
それによって高まった圧力に唇が負けてしまったり、裏返ってしまったりするんですね。
それに対する恐怖心と、タンギングに集中するあまりに舌や喉が疲れてしまうというのが自分のタンギングを妨げている要因であると推測しました。

タンギングのプロセスをはっきりさせる

プロセス発見タンギングというのは何なのか、プロセスを確認するところから始めます。
タンギングとは肺から送り出される息を下と上あごでせき止め、内部の圧力を高め、そしてそれを開放することです。
つまりタンギングのプロセスとは

  1. 舌と上あごで息が出ていかないように栓をする
  2. 肺から息を送り出す
  3. 口の中の圧力を上げていく
  4. 舌でせき止めている行為をやめる
  5. 高まった圧力により勢いよく口の外(楽器)へ息が出ていく
  6. 再び舌で栓をして息をせき止める

ということになりそうです。
気が付きましたか??「トゥ」とか「ルー」とかはプロセス内には存在しないんです。
こういった発音をすることで上のプロセスに近いことができるため、わかりやすいように説明するために広まったものだと思います。

タンギングの発音は「結果」であって「手段」ではない

この「トゥ」という発音をするという説明こそが、私の舌や喉を疲れさせた張本人でした。
発音をすることを意識するあまりに、舌先ばかり集中してしまいかえって舌が固まっていたんですね。
プロセスに従った結果としてそういう発音がされているだけであって、発音そのものをメインにしてはいけないことに気が付きました。

舌をもっと大きな組織としてとらえて、局所的な動きにしないようにすることが第一の解決策です。
上のプロセスに従うと、タンギング中であっても息を送り続けることが容易になります。
私の場合タンギングに集中すると、お腹の踏ん張りがなくなり、もはや喉から先だけで息を作ろうとしてしまっていたのです。それは喉にも舌にも負担になるはずですね。

発音のことは気にせずに、舌で栓をするかそれをやめるという行為にすることで、大きく改善できました。
もともと速いタンギングができない私ですが、多少スピードも速くなりましたし、圧倒的に舌がばてなくなりました。

そうやって考えてみると「しゃべるように演奏する」というのはなかなか効果的な指示だと思いました。
トゥやターといった発音をするということとしゃべるように演奏するというのは近い感じがします。
しかしながら実際やってみると、息を送りだす力も動かす舌の広さも全然違うことがわかります。
そしてとても音楽的な動きになります。それはしゃべるということそのものに抑揚があるからです。

以上のことで疲れに対しての解決ができました。
あとは裏返ってしまうとか暴発することに対する対策をどうするかです。
これは意外と簡単なことでした。

本当にやってはいけないことなのか見直す

唇が圧力に耐えられないから起こっているのであるなら、より唇をキュッと閉めればいいだけです。
アンブシュアの観点から唇を締め上げることは悪だと考えていました。
しかしながらタンギングをすれば、しない時よりも高い圧力になるのは当然。同じ力で唇を閉じても耐えられるわけがありません。
ここは憂うことなくその圧力に耐えられるように閉めてあげればいいのです。ほんの少し閉めるだけで十分効果がありました。

何となくのイメージがブレーキをかけていました。結果それがタンギング演奏そのものにブレーキをかけていたことになります。
イメージによるブレーキをなくしたことにより、タンギングを邪魔していたブレーキも取り除くことができました。
これもまたぼーっとタンギング練習しているだけでは、なかなかたどり着けない内容だったと思います。

20年近く楽器をやっていますから、なかなか悪い癖は消え去りませんが、練習の方向性が見えたことは大きいです。
何も難しいことを考えず、先ほどのプロセスを忠実になぞっていればいいのですから。
これがそのうち自然と無意識で出来るようになるように練習していけばいいのです。

上達とはプラスされることがすべてではありません。
マイナスをなくすことも立派な上達です。それを実感した今日でした。

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