どうもーやまむらこういちです。
やまむらこういちのへっぽこあぽこでは音楽のことをいろいろとブログにつづっていますが、スーパーボーンと検索して来られる方が結構いらっしゃるようですので、もう少し詳しく紹介しようかなと思います。ちなみに前回紹介したブログの記事はこちらです。
最近では別のメーカーからも出ているスーパーボーンですが、私が持っているのはその元祖ともいえる、HOLTONのTR395というモデルです。伝説のトランぺッター、メイナード・ファーガソンがHOLTONへ特注依頼したものです。今回はパーツや全体のサイズ感などを中心にご紹介いたします。
ほかのトロンボーンと比べてポジションが遠い
上はYAMAHAのテナーバストロンボーン、YSL6420IIというモデルです。スーパーボーンを手に入れる前は、友人から買い取ったこちらのトロンボーンを使っていました。今日はこちらの楽器と比較してみようと思います。
写真を見てお分かりいただけると思うのですが、ベルの位置を合わせた時にスーパーボーンの方がスライドの先端が長いですね。マウスピースの位置はそれほど変わっていませんが、バルブの部分がある都合上、スライドは(奏者から見て)やや遠くにあります。普通のトロンボーンよりもやや遠目にポジションを取る必要があります。そしてこの影響で、私は7ポジションがギリギリになってしまうので、ほとんど使用しません。
トロンボーンのスライドの内管です。スライドの内管の先の方にはストッキングと呼ばれるやや太くなった部分があります。これはスライドの操作性向上や息もれの解消などの効果を狙ったものです。スライドの先端の位置がずれている分、このストッキングの位置もずれています。
トロンボーンスライドの外管です。スーパーボーンのスライド外管はマウスピース側とベル側で長さが違います。構えた時に上(マウスピース側)が長く、一般のトロンボーンと同じ長さを持っています。ベル側はやや短くなっていて、一般のトロンボーンの持ち手がある位置くらいまでしかありません。持ち手からマウスピース側の外管が長いため、第2ポジションくらいだと奏者からスライドの内管が見えないくらいです。
一つ多い3つのパーツで構成されている
以前のブログ記事でも書きましたが、スーパーボーンは3つのパーツで構成されています。これにマウスピースを合わせれば演奏することができます。中央のバルブパーツにスライドとベルを取り付ける形になります。スライドとベルを直接つなぐことができません。どちらも接続部がオスになっているためです。かならずバルブパーツが必要になります。
スーパーボーンは細管です。ちなみにさっきのYAMAHAの方は太管です。細管特有の軽く明るい音が出ますが、やや高音が出にくい感じがします。久々にYAMAHAの方を吹くとすっと高音域が鳴ります。これは個人差もあると思います。
ベルパーツのチューニング管です。HOLTONのマークがついたバランサーが付いています。トロンボーンはその形状の関係でスライド側に重心があります。左手一本で持たなければならない楽器で、前の方に重心が寄っているとものすごく疲れます。それを解消するためにスライドとは反対の後ろ側にバランサーという重りをつけて重心を調整します。楽器の重量はバランサーの分やや重くなってしまいますが、はるかに軽く感じます。
チューニング管は雄雌が交互になっています。写真では上側がベルの方へ、下側がスライド(バルブ)側へ続いています。この楽器はかなり状態が良い方で、スライドやバルブはもちろんのこと、チューニングも年間を通して合いやすいです。
ピストン部分はトランペットに近い
バルブ部分の小指をかけるところです。トランペットでいうフィンガーフックの役割があります。スーパーボーンは左手の親指と小指だけで楽器を持ち上げる必要があるので、ここに結構な力がかかります。小指がとんでもなく痛くなるので私はスポンジをクッション代わりにくっつけてあります。この部分はネジをゆるめることで、前後の位置だけでなく角度も調整できます。一番自分がしっかり持てる位置に調整することが可能です。
それぞれのピストンの調整管です。1番管2番管はかなり近いですね。3番管はピストンを挟んで反対側にあります。楽器を構えるときは3番管のやや奥に親指を掛けることになります。3番管を抜いているときなどにその部分へ親指を掛けてしまうとまがってしまうので注意が必要です。
スライドとバルブの接続パーツ
これはスライドのマウスピース接続部分。手持ちの少し手前に、普通のトロンボーンにはない突起が付いています。これはバルブ部分との接続に使用する補強パーツのようなものです。
ここは手で引っ張るとこんな風に伸びます。離すとばねの力で元の位置まで引っ込みます。接続するときはこの部分を伸ばしておきます。